明治29年4月15日をもって新田の築工がようやく竣成を迎え成工式を行い、併せて紀念碑の建設式を挙げた。
当日の来賓は榎本農商務大臣を初め、愛知県知事、豊橋十八連隊長、その他文武官、県会議員、新聞記者、県郡農会員、及び工事に関係する人々等、およそ2千余名であった。
大臣を初め、祝詞演説等が数多あって非常に盛況を極め、また酒宴、その他余興の設備もあって会場には歓声が満ちていた。
なお、紀念碑には下のように(下の画像の左側)書かれている。
ここに特筆することがある。
当日の主賓である農商務大臣の榎本武揚氏は新田の巡覧に際して人力車を用いず徒歩にておおよそ2里余の堤防、及び田の巡視は歩行され、工事上、及び農事上に関する種々の談話、また尋問されたが、少しの疲労倦怠の様子も無く熱心であったことに感嘆されられた。